2026.05.05
2026年5月3日にNative Instrumentsは30周年を迎えました。
同時に現在、既にCEOによる発表の通り会社再編の最中にあります。
おそらく今後1週間の間に、Native Instrumentsに関わる、ひいては音楽制作を行う多くのクリエイターに関わるブランドの変化とその未来が発表されるでしょう。
M&Aの先にNative Instrumentsが向かうべき未来を前にして、1996年以降Native Instruments が業界に起こした数々のパラダイムシフトを今回も簡単に振り返ってみましょう。

コンピュータ本来の力で楽器を演奏することが可能となった後、音楽制作市場は「PCの高性能化による完全なデジタル移行」と、それに対する「フィジカルな操作感の渇望」という二律背反な状況を生み出します。
当時Native InstrumentsはRig Kontrol (2004年)やB4D (2005年)など、「汎用ハード」ではなく、「特定のソフトの操作を快適にする専用機」としてのリリースを行なっていました。
しかし、これが後の「専用ハードとソフトの高度な統合」という業界標準プロダクトの雛形となるのです。

2000年代後半、市場では当時定番と言われた「ハードウェア・サンプラー」の地位が、Ableton Liveなどの「DAW」に押されていました。
そんな中2009年に登場したMaschineは「ハードウェア・サンプラーのようなパッド操作」と「PCソフトの無限の拡張性」を融合。
当初からの「コンピュータ(Native)を楽器(Instruments)に変える」というビジョンを具現化し、ビートメイカーたちの制作スタイルを根底から変えました。

ハードウェアは現在3世代目に、そして心臓部となるソフトウェアは2024年11月に大きく進化したMaschine Mk3。
受賞歴を誇るRX技術によるステムセパレーション、多彩なMIDI編集ツール、そしてシーンごとのテンポ調整、マスタリングツールセットまで、ユーザーベースから最も要望の多かった機能が数多く搭載されています。

2010年代中盤になると、標準化と共に膨大に増えすぎたソフト音源(プラグイン)の管理がクリエイターの悩みとなっていました。
その問題を解決すべく、Native Instrumentsは2014年にKomplete Kontrolをリリースします。
キーボードに液晶画面を搭載し、PC画面を見ずに音色を「ブラウジング」。
LIGHT GUIDEによるキースイッチの視認性や操作アシスト、さらにNKS(Native Kontrol Standard)という独自規格を発表し、自社ソフトウェアとの高い連携だけでなく、他社製プラグインまで自社ハードウェア上での操作を可能としたのです。
リリースから10年後の2025年にはNKS Hardware Partner Programを発表し、KORG、Akai Professional、Novation、M-Audioといった他社のコントローラーにもNKSは開放されました。

最新のKontrol S-Series mk3ではKontakt 8との直接連携を実現。
全てのモデルにポリフォニック・アフタータッチを標準搭載するなど、表現力をさらに拡大。パートナー社を含めた音源、エフェクト、サウンドとのダイレクトで没入感のある連携を可能とし、バーチャル音源と現実世界を融合しています。

NIが掲げたFuture of Soundというコンセプト。発表当初は「Native環境でInstrumentsを実現すること」自体が未来でした。しかし、これらのハードウェアリリースからNIは新たに”Dual Brain”というコンセプトを提唱します。
左脳(Left Brain):論理・処理・精度
右脳(Right Brain):直感・感情・パフォーマンス
PCの処理能力を使用しつつ、人間が画面を見ることなく、あたかも独立した楽器のように直感的に操作できる状態こそがNIが次に目指した未来だったのです。
現在では当たり前の話ですが、MaschineやKomplete Kontrolの誕生は、NIが業界に起こした2つ目のパラダイム・シフトだったと言えるでしょう。

NIヒストリーの心臓部となるKompleteは、間も無く新たなバージョンを迎えます。
ReaktorやKontakt、そしてNKSのテクノロジーに至るまで、NIが起こしたパラダイムシフトの歴史は全てKompleteシリーズに集約されています。次のバージョンでは、さらなる革新的なプロダクトの搭載が実現することでしょう。
ハイブリッド合成と知的なプリセット生成を備えて現代に蘇ったセミモジュラー・シンセサイザーAbsynth 6。
コード進行を、美しくリズミカルなサウンドスケープへと進化させるCircular。
10フィートのイタリア製コンサートグランドピアノClaireや新たなSceneシリーズなど、クリエイターの右脳を刺激し新たなサウンドを生み出すInstrumentsが多数搭載されることでしょう。
Marco Polo DrumsやElectric Neon Essentialsなど、さらに豊富に追加されたSessionシリーズやPlayシリーズの数々があれば、鍵盤操作に慣れないクリエイターのインスピレーションをも容易に実現できるはずです。
30年の歴史に裏付けられ、あらゆるクリエイターに適応出来る数々のInstrumentsとクリエイティブエフェクトがKompleteには収められています。
Kompleteがあれば、もう“正しい音”を探し続ける必要はありません。
新たなバージョンの誕生にご期待ください。
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